子ども未来課通信育児のうわさ ウソ・ホント

こどもの「かんしゃく」ってどう対応したらいいの?

「うわあああああん!いやいやいやいやーーー!!あっちいってーー!!」

とつぜん大きな声で泣いて騒いで、何を言っても聞く耳をもたず大暴れ。

子どもの「かんしゃく」ってとても対応が大変ですよね。

「どうしたらいいんだろう。」「私の育児がだめなのかな」「あ~もう!うるさい!」

こんな風にひとりで悩んでしまう保護者の方も、いらっしゃるのではないでしょうか?

今回の話は、「どうにかかんしゃくにうまく対処できたらいいのに...。」そう悩んでいる保護者の方にぜひ読んで欲しい内容です。

1 こどもにとって、かんしゃくにはどんな意味がある?

こどもにとって「かんしゃく」とは、

泣く、ぐずる、駄々をこねる、怒るなどの行動で、自分で自分の負の感情(嫌だなと思う気持ち、不快だなと思う気持ち)を制御することができずに、気持ちの崩れを経験し、お手上げの状態になっている状態です。

こうなっているときには、こどもの脳は興奮し、感情のコントロールができない状態になっています。

そこで、そばに大人が行って、大人が落ち着いてこどもの状態を理解し、「いやだったのね」「もっとあそびたかったね」などの声をかけながら感情を共有することでこどもは落ち着きを取り戻します。こどもが、安心するとともに、脳の興奮も落ち着き、徐々に大人からの声掛けを聞くことができるようになります。

つまり、

こどものかんしゃく = こどもからの「落ち着かせてほしい」「安心させてほしい」というメッセージ

なのです。

POINT
こどものかんしゃくは自分で自分の感情をコントロールすることができないお手上げの状態。
こどものかんしゃくは「安心させてほしい」というこどもからのメッセージ

2 かんしゃくを起こしたら、こどもの言うことを聞いて早くおさまるのを待てばいい?

 「買ってーーー!!あれじゃなきゃイヤ!!」

では、こんな風にぐずぐずしているとき、どうしたらいいのでしょう?

買ってあげれば、買って買って攻撃はおさまるでしょう。でも、いつでもそのような対応をするわけにはいきませんよね?

 

 1でお伝えしたとおり、かんしゃくは「自分では感情のコントロールができないお手上げの状態」です。

大人がする必要のあることは、「感情のコントロールを手伝う」ことだけなので、「全てのこどもの要求に応える」ことが必要なわけではありません。

こどもの「〇〇したかった」「いやだった」という気持ちに寄り添う必要はあっても、「あれ買って」「やめて」等の全ての要求に応え、こどもの望むとおりにする必要があるわけではないのです。

 こどもが嫌がっていることであっても、必要なこと、どうしてもやり通さなければならないことは毅然とこどもに説明する必要があります。

 

たとえば、予防接種がイヤで大泣きしているこどもに対してであれば、

「注射いやだよね。痛いもんね。」(感情の共有)

「でも、注射をしないと、もっと悪い病気になって、〇〇ちゃんが苦しくなるし、困ってしまうの。だから、注射はするよ。終わったら、お母さんと美味しいおやつ食べようね。」(こどものこころが落ち着いたら、毅然と説明)

といったように対応するといいでしょう。

POINT
こどものかんしゃくに対して、全部言うことを聞けばいいわけではない。
こどもの気持ちには寄り添うが、しなければならないことは毅然とした態度できちんと説明する必要がある。

3 避けたほうがいい対応はある?

こどものかんしゃくにうまく対応できる日があれば、うまくできない日もありますね。

余力があって、落ち着いて対応ができそうなとき、なるべくなら以下の対応を避けることができるとよいでしょう。

 

・叱って行動を止めさせようとする…例「やめなさい!」
・禁止する…例「泣くな!」
・感情表出をやめさせる…例「おにいちゃん(おねえちゃん)でしょ!恥ずかしいよ!」

です。

このような対応をすると、こどもは安心することができずに、より泣き騒いだり、行動がひどくなったり(過覚醒)、それでも落ち着きを取り戻せない場合は自分のこころを解離させ対処しようとします。

この場合、「感情を自分でコントロールして、落ち着きを取り戻す」という経験をすることができず、次に似たようなことが起きたときにも、上手に自分で対処することができなくなります。

POINT
負のループを避け、正のループを意識して対応しよう

負のループ

こどもがかんしゃくを起こす

保護者(周囲の大人)が「泣くな!」「うるさい!」

などの言葉でこどもの感情を否定する

こどもは過覚醒になり、よりひどく泣き暴れる

こどもは感情のコントロールを学ぶことができない

正のループ

こどもがかんしゃくを起こす

保護者(周囲の大人)が「どうしたのかな?」「○○されていやだったね」

などの言葉をかけ寄り添う

こどもは安心し落ち着きを取り戻す

こどもが保護者(周囲の大人)の話を聞くことができるようになる

こどもが感情のコントロールを学ぶ

まとめ

かんしゃくに対する対応は本当に大変で、大人も必死になりますね。

毎回じょうずに対応しよう!と思うと、大人も疲れてしまいます。失敗したなあと思う日があっても当然です。

余力があるときには、こどもがかんしゃくを起こして泣き叫んでいるとき、「ああ、感情がコントロールできなくて困ってるのね。安心させてほしいのね。」と思い出してみて欲しいと思います。

「なかなかうまく対応できない」「かんしゃくが多すぎて困っちゃう」という方は、子ども未来課へご相談ください。

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